スペイン・アンダルシア①:マラガ経由でグラナダへ〜アルハンブラ・パラセから行く夜のアルハンブラ宮殿
ヨーロッパの旅行シーズンも限界を迎える11月後半、行き残していた最後のメガ・観光地、スペインはグラナダのアルハンブラ宮殿に週末旅行に行くことにしました。利用空港はマラガになるので、ついでにマラガを始点とするアンダルシアの世界的なビーチリゾート、コスタ・デル・ソルのビーチラインの街もちら見することができそうなお得旅行です。この後に及んで冬になってもビーチリゾート。コスタ・デル・ソルのどの街に行こうかなどルンルンしながら予定を立てていました。
しかし直前になって、緊急事態発生。肝心のアルハンブラ宮殿のメインであるナスル朝宮殿見学は時間指定制で、事前予約をしないと入れる保証がないことが発覚し、そして気づいたときにはグラナダ滞在予定日の事前予約は売り切れていたのでした。がーーーん。アルハンブラ宮殿を見るために計画した旅行だったのに、周辺のビーチリゾートにかまけて肝心のアルハンブラ宮殿が見られないかもしれないなんて。。。
ショックで寝込みそうな事態でしたが、よく調べるとアルハンブラ宮殿のナスル朝では夜の見学も行われており、夜8時からの見学であればまだ予約可能であることが発覚しました。そして、日中の見学についても、朝一、午後一で並べば何とか当日券が買える可能性が高いこともわかりました。
そこで、わざわざ行くのだからどうしてもアルハンブラ宮殿をきちんと見たい、ということで、まず夜の見学チケットを予約して夜のナスル朝見学は確保し、更に次の日の午前または午後一に並んで当日券を買って、お昼のアルハンブラ宮殿も制覇するという計画を立てました。ホテルもアルハンブラ宮殿の近くに取ったし、うまく行くといいですが。。。
ということで、若干の不安を抱えながらスペイン・アンダルシア旅行に出発です。
行きはおなじみナイメーヘンからほど近いドイツのデュッセルドルフ・ヴィーツェ空港から、LCCライアンエアーで、南スペインの拠点マラガ空港へ。マラガ空港、大きくて立派な空港です。
空港前から、ALSAというバス会社のシャトルバスが出ているので、これに乗ってグラナダに向かいます。グラナダ便は1〜2時間に一本くらい出ていますが、空港からのシャトルバスは人気なのでALSAのサイトで事前予約が必須です。他にもセヴィリャなどアンダルシアを広く走っているようです。
時間帯的にたまたま「Super」と名のつく若干グレードの高いバスを予約したのですが、お菓子と水をサービスでもらえた上にテレビ付きのリクライニングチェアーでびっくり。こんな豪華な高速バスに乗るのは初めてです、とても安価なのですが。
バスはまず空港から15分程度のマラガ駅に止まります。マラガ駅及びその周辺は、ちょっと南国風の普通の中規模な都会という感じです。マラガはグラナダ観光後にカムバックして観光予定。
そしてグラナダに向かって進みます。道の途中途中で、アンダルシアらしい白っぽい街が見えました。
しかしこのマラガからグラナダに向かうバスの車窓のほとんどは広大なサバンナみたいな景色で、迫力のあるバス体験でした。スペインの南は地理的にアフリカに近いですから、気候や生態系もだんだんそういう感じになっているのでしょうか。若干アフリカを疑似体験したような気分になり面白かったです。
バスで2時間、夜のグラナダ駅に到着。グラナダ駅構内の案内所で宿泊先ホテルへの生き方を聞いていると、バスだと乗り換えなのでタクシーが速いことがわかったのですが、その案内所のお姉さんがもの凄く商売上手で、どんどん色々なグラナダ観光のツアーを勧められました。「グラナダは迷いやすい街よ、ガイドが必要。え、1日も観光時間がない?信じられないわ。だったら絶対にグラナダの街の周遊ツアーを申し込まなきゃだめ。朝10時に広場集合よ!」ということで、あれよあれよとその気にさせられ、次の日の午前中のグラナダ周遊ツアーに申し込まされました。朝一でアルハンブラ宮殿のチケット売り場に並ぼうかと思っていましたが、一応夜にナスル朝は見る訳だし、午後一で並べば何とかなるかな。。(案内所のお姉さん「大丈夫よ、私が保証するわ!」)ということで、次の日の午前中はグラナダの街周遊ツアーに参加することにしました。オペラが本業で、巡業の合間に案内のバイトをしているという頼もしい案内所のお姉さんに感服。商売魂を見習わなければ。
さて明日の予定も決まり、タクシーで宿泊先ホテル、その名もアルハンブラ・パラセへ。
アルハンブラ宮殿近くの丘の上に建つこのアルハンブラ・パラセは、アルハンブラ宮殿の様式を模倣してイスラム様式で作られたホテルで、各国首脳やカラヤンなどの文化人もゲストブックに名を連ねる老舗ホテルなのだとか。シーズンオフでそんなに高くなかったので、今回は「アルハンブラ一色」の旅にしようと思って宿泊を決めました。
確かにホテルの装飾の隅々までイスラム風です。アルハンブラ宮殿に行く前にアルハンブラ宮殿の疑似体験です。
施設内の壁紙はアルハンブラ的なうすオレンジ色が基調。
そしてお部屋。こちらもオレンジ色で統一されています。そこまで広くもなくゴージャス感もありませんが、まあエキゾチックでしょうか。
このお部屋の最大の売りは、バルコニーからのグラナダのシティ・ビュー。明日の朝の景色が楽しみです。
お風呂場も、アラビア文様が意識されたチカチカする面白いデザインでした。
お風呂場にも立派な出窓が着いていて、そこからのキラキラ光るグラナダの街の夜景も綺麗でした。
ホテルを満喫していたら、気づけば予約していた夜のアルハンブラ・ナスル朝宮殿の見学時間が迫っていました。ホテルの疑似アルハンブラ体験で満足して本物を見逃しては元も子もありません。急いでホテルから駆け足で夜道の丘を登りアルハンブラ宮殿へ向かいます。
夜のアルハンブラ宮殿敷地内へ。暗くてあまり何も見えませんが、カルロス5世宮殿は薄く照らされてそびえ立っています。
こんな夜ですが、ナスル朝宮殿前には見学に訪れた人が列をなしています。
いざナスル朝内へ。最初に現れるのは行政と司法が行われていたというメアスール宮。やっぱり夜は薄暗いです。
しかしよく見ると何気ない壁にも気の遠くなるような細かい彫り模様が施されているのがわかります。
メインのコマレス宮のアラヤネスの中庭。これはお昼に来ないとコマレス塔が池に移る姿を見れませんね。
しかしさすがメイン宮、装飾も凝ったものになっています。
幾何学文様が平面を超えて立体的に。凹凸部分の凹みに当初塗られていた色だったと思われる青色が残っています。この肌色で統一されていると思われるアルハンブラ宮殿も、本当はもっとカラフルだったのですよね、当時の色を見てみたいです。
そして王族のプライベート空間だったという、ライオン宮へ。
さすが王族のための空間、装飾が最大に豪華・繊細になっています。
何層にも仕切りの飾りがある廊下。
天井画ならぬ天井文様。
星形の天井も。
「ライオンの中庭」にあるライオンの噴水。え、この子達がライオンだというんですかね。イスラム装飾、幾何学文様は素晴らしく繊細ですが、生き物の彫刻は得意じゃなかったのでしょうか。。偶像崇拝禁止の影響でしょうか。
以上、夜のナスル朝宮殿、やはり暗くて特に写真にすると細部まで写しきれないですが、その暗さが逆にエキゾチックな雰囲気を作り出していてそれはそれで悪くなかったです。ただ特に中庭など日の光が重要な場所はちゃんと見きれなかった感がありますから、これはやはり明日の午後、他の宮殿見学も含めてもう一度日中にトライしなければなりません。
ちなみにナスル朝宮殿のお隣の夜のカルロス5世宮殿にも一瞬立ち寄ってみました。レコンキスタ完了後のカトリック王の時代の建物らしいですから、イスラム時代のナスル朝宮殿とは全然違います。それにしても質素な。
さて、ホテルの方のアルハンブラ・パラセに帰ったら、ホテルのレストランで遅めの夕食をとりました。
このレストランの窓際席ではグラナダ市街の夜景を一望しながら食事をすることができます。
メインに頼んだお肉料理。お味はまずまずでした。
さて、明日は午前中はグラナダ観光、午後は再びアルハンブラ宮殿見学です。