デンマーク・コペンハーゲン①:北欧デザインを満喫、カラフルな運河の街コペンハーゲン
取り憑かれたように旅行をしまくったヨーロッパ滞在の日々も、残すところあと1ヶ月を切りました。
滞在中最後の旅行は、一緒に行く北欧デザイン好きの友達の提案で、デンマークのコペンハーゲンに行くことにしました。北欧といえば社会福祉先進国で、ヨーロッパの中でも最も成熟した大人の国々のイメージです。その中でも「世界で一番幸せな国」第一位に輝いたのがデンマーク。ヨーロッパ滞在の最後に、そんな幸せ先進国の様子を垣間見て、長かった旅行生活の一つの区切りにしたいと思います。
デンマークはオランダの隣国ですが、案外距離があるらしく電車だと夜行便で一日がかりなので、飛行機で向かいます。アムステルダム空港から、初利用のスカンディナビアン航空(通称SAS)でコペンハーゲン空港へ。機内は白を貴重とする静かで安心できる空間でした。
SASは格安航空ではなく北欧のフラッグキャリアなので、ちゃんとコーヒー紅茶が無料で飲めます。ミルクが珍しい型のフレッシュミルクでした。
空港に着くと、'Welcome to the world's happiest nation':「世界一幸せな国にようこそ」の文字に迎えられます。そんなランキングも粛々と受け流しているのかと思ったら案外売りにしているんですね。
コペンハーゲン空港からコペンハーゲン中央駅へは電車で15分。何てアクセスの良い空港なのでしょう。
コペンハーゲン中央駅に着くと、いきなりセブンイレブンに出くわしてびっくり。セブンイレブンて日本のコンビニかと思っていたら世界的なチェーンなんですね、今までヨーロッパで見たことがなかったので知りませんでした。
茶色い三角屋根が連なるコペンハーゲン中央駅の駅舎。
お向かいは、テーマパークのチボリ公園です。
入りませんでしたが、このチボリ公園というのは、子供用の遊技場からジェットコースターまである娯楽施設のようです。19世紀にカーステンさんという人が、階級の別なく市民が楽しめる施設を造りたいというコンセプトで開設したそうなのですが、当時は貴族達からの反発にあってカーステンさんは国から離れてしまったのだとか。
コンセプト云々よりも、寂れた大きなおもちゃが集まっているような場所であまりいけてなかったです。入場料も高かった。。
そのチボリ公園を横切りながら、予約した駅近くのアパートメントホテルに向かいます。
近代的なビルもあります。駅近くは結構猥雑な感じです。
そして工事中の場所が多いです。また、自転車の数もオランダに負けず多いです。
そんな雑多な大道路から一本入った所にある我々のお宿、アスコット・アパートメント。アスコット・ホテルの横に併設されています。
友達との二人旅行だったので、ちょっと広めのアパートメントホテルにしたのですが、とても素敵なお部屋でした。
ちゃんとした台所もあります。北欧の物価、特に外食はとても高いと聞いていたので、自炊できるようにこだわった台所付きのアパートメント。正解でした。
リビングの大きな窓からの眺めも悪くないです。ちなみに向かいにあるのは野外コンサート会場のようで、ヘビメタな音楽ががんがんにかかっていることもありますが、夜は静かになりますし車の音などはしないので、騒音コンシャスな私としても許容範囲でした。
この素敵アパートメントで3泊4日、朝も夜も(時によっては昼も)自炊上手な友達と自炊してのんびり観光したコペンハーゲンの日々でした。1日目の朝は、近くのスーパーとパン屋さんで買ったハーブのウィンナーと数種のデニッシュパンとヨーグルトとサラダ、持参したオーガニックコーヒーで。ホテルの朝食に負けません。
そして早速、街の中心へ散策に向かいます。まず目を引くのは焦げ茶に緑の塔の大きな市庁舎。
市庁舎前には、またもおなじみのセブンイレブンが!どうやらこの国には至る所にセブンイレブンがあるようです、日本みたいに。でもお店の中はデニッシュやコーヒーを売っている、日本のコンビニとはだいぶ違うお店のようでした。
さて、ストロイエというメインショッピングストリートに通じる通りを進みます。ちょっと雑多な感じです。
北欧はシンプル&キュートな北欧デザインで有名ですが、このストロイエという通りには可愛らしい雑貨や家具屋さんが軒を連ねているそうです。もっとも、私はあまり小物に興味がない(←ハコモノの方が好き)ので、小物好きの友人に追随します。
こちらはタイガーTigerというリーズナブルな雑貨屋さん。可愛いイチゴ柄の小物がいっぱい。
Lagkagehusetラウケーフーセットというデニッシュ屋さん。朝食のパンもこのお店の支店で購入しました。デニッシュってデンマーク由来のパン(ダニッシュDanishのパン)だったんですね。
噴水のある広場に出て少し道が洗練されてきました。この辺から本格的にストロイエでしょうか。
レゴLego本店を発見。これは私でも知ってます。
特性のドラゴンとレゴ人形達がお出迎えしてくれます。
広い店内にはレゴ製品がびっしり。
奥の壁には一面に部品が並んでいて、Pick & Build、好きな物を選んで組み立ててくれとのこと。好きな人にはたまらないでしょうね。
コペンハーゲンらしい街並を再現したレゴもあれば
トレヴィの泉、エッフェル塔など、ヨーロッパの有名な建物のプラモコレクションもあります。
特にレゴファンではない私でも何となく特別だということを実感したレゴ本店でした。
レゴを出ると工事中だけど爽やかな教会。
続いては、高給雑貨&家具デパートのイルムス・ボーリフスIllums Bolighus。
日本では西武の「イルムス館」と提携している家具屋さんですね。池袋西部で見るたびに、見かけはシンプルなのに恐ろしく高い家具達だなあと思っていましたが、ここで展示されている物も見た目のシンプルさとは裏腹に桁が違うお値段でした。
正直、私などには北欧家具って、座り心地とかもよくないし皮などの良い材料を使っている訳でもないのにやたら高いという印象なのですが、まさに北欧のデザイン料にそれだけの価値があるということなのでしょうか。
1階には小物が売っていました。これは可愛いイッタラIttalaのムーミン・コレクション。
一緒の友人は北欧好きでパリ在住ながら北欧旅行ばかりしているマニアなのですが、曰くフィンランドの方がデンマークより北欧らしくてデザイン製品も見応えがあるそうです。
イルムス・ボーリフスのお隣はロイヤル・コペンハーゲン。これは私も知ってるぞ。
240年続いている老舗なんですねーすごい。
単に食器を展示するだけでなく、リビング風のお部屋のテーブルに食器を並べてディスプレイされたりしていて見応えがありました。
ストロイエの中心、アマートゥ広場に出ました。
この広場の角にあるカフェ・ヨーロッパというオープンカフェは、カフェラテで有名らしいのでここでランチを取ってみました。
若干ミロのような子供向けクリーム味のカフェラテと、アボガドとサーモンに超こってりチーズクリームソースがかかったごてごてのサンドイッチが出てきました。これがデンマーク料理の典型だとするとちょっと厳しい。。そしてこれで一人5000円近くします。物価高すぎです。
この先のストロイエはグッチやヴィトンなどのグローバル高給ブランドが連なっていました。バーバリーはすっきりしたディスプレイで少し北欧っぽさが意識されているのかなと思いました。バーバリーって日本では三洋商会が独自ブランドを作っていたように、各国で少しずつ趣向を変えているみたいですしね。
ちなみに、ショッピングメイン通りのストロイエはちょっと猥雑な感じですが、街の中心でも一歩小さな道に入ると、カラフルな木造家屋が並んだコペンハーゲンらしい町並みが広がっています。
そして、案外そういう小さな通りの方が、ブランド名は知らないけど思わず立ち寄ってみたくなるようなお洒落な雑貨屋さんに出会えたりします。
また、定期的に開かれている各地の市場でも北欧雑貨に出会えます。こちらは、クリスチャンボー城を抜けたところにある国立博物館前で、金曜の午前中に開かれる骨董市。
古そうな置物やカトラリーもあれば、北欧デザインの現代食器などもあり、なかなか見応えのある市場でした。それに周辺の町並みが絵になります。
ガンメルストランドに続くこの辺りの運河に並ぶ家々の家並みが可愛らしくて、居心地のいい場所でした。
また、北欧デザインは、博物館や美術館でも出会うことができます。こちらはカステレッド要塞の近くにあるデザイン博物館。
デザイン博物館はレセプションもデザイナブル。
館内はレトロからモダンまで、様々な北欧デザイン物であふれていました。
おすすめなのが、博物館の中庭の隅にあるこの木々に囲まれたカフェ。
木漏れ日に照らされながら、クリーミィで美味しいカフェラテでホッと一息すると時間を忘れてくつろいでしまいます。ここのカフェオレは、ストロイエにあった有名なカフェ・ヨーロッパのカフェラテよりも美味しかったかも。
また、デザインを展示しているわけではありませんが、チボリ公園の近くにニュー・カッスルベア美術館は、オランダで知り合ったデンマーク人の友人も一押しの非常に素敵な美術館です。
彫刻の展示が多いのですが、その展示の仕方が何ともお洒落。
ヴィヴィッドな原色の壁に真っ白の彫刻が良く映えます。
これはモーツァルトの彫刻ですね。すぐ分かります。可愛い。
近現代彫刻から、ギリシャ、ローマ彫刻、果てはエジプトのミイラの展示まであり、もの凄く豊富なコレクションでした。
そして部屋ごとにシンプルだけど彫刻を活かす壁紙とディスプレイが施されていて、数多くの彫刻の展示にも飽きることなく鑑賞することができます。
絵画のコレクションも、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ピカソ、ルノワール・・・と有名どころが目白押しで、特にフランス絵画のコレクションは豪華でびっくりでした。
特色があったのはやはり地元デンマーク絵画。デンマーク絵画なるジャンルを始めて見ましたが、とてもシンプルだけどさわやかな色使いが特徴的な気持ちのいい絵が多かったです。
シンプルで明るい色を、という北欧デザインの伝統は昔の絵画から続いているのでしょうか。
このニュー・カッスルベア美術館は本当に内装が素敵で、中央には大きな熱帯のリゾートのような中庭もあり、とてもくつろげました。
この中庭を見ながらお茶ができる中庭のカフェもおすすめです。
ニュー・カッスルベア美術館は、コレクションも豊富だし内装が本当に素敵で、今まで訪れた美術館の中で一番居心地が良かったです。これも北欧デザイン力の賜物でしょうか。
ということで、コペンハーゲンの街歩きは、その街並みでも、道行くお店でも、美術館でもカラフルな北欧デザインが満喫できてとても楽しめました。
さて次は、地元民も一押しという運河ツアーに参加して運河からコペンハーゲンのおとぎの街を覗いてみたいと思います。