ギリシャ・エーゲ海クルーズ③:西欧とギリシャが融合する伝統のビーチリゾート、コルフ
今日は、最初の寄港先であるギリシャ北西に浮かぶ島、ケルキラ島(通称コルフ)観光の日です。コルフは正確にはエーゲ海ではなくイオニア海に浮かぶ、エーゲ海の小さな島々よりはサイズの大きな島です。その場所柄か西欧諸国の支配下にあった歴史もあり、世界遺産に登録された町並みは西欧とギリシャが融合した美しさを持つことで評判だそうで、西欧で古くから人気のリゾート地のようです。島の各地にビーチリゾートが点在していますが、今回は半日だけの立ち寄りなので、コルフ市街地を中心に観光します。
朝起きると、部屋のバルコニーからケルキラ島が近づいているのが見えます。
バルコニーのチェアに座りながらのんびりと島に到着するのを待ちます。は〜〜寝て起きたら島に着いているなんて何てらくちんなんでしょう。。もう自力での旅行ができなくなりそうです。
コルフの港、ニューポートに到着。
早速船を出て観光を始めます。クルーズ主催のツアーに申し込んでいる乗客もいるようですが、私たちは無計画に自主観光です。
どこの港もそうでしたが、クルーズ船が止まれる港はとても大きい。街の中心から遠いことはないですが、微妙に旅行ガイドの圏外なので、どうやって街に行けば良いのかも良くわからないけれど、とりあえず人の流れについて行きます。
この港では最初に検問所のような所を通過しました。
でも、クルーズのカードさえ持っていれば、ウェルカム・クルーザー!でほとんどノーパス。
検問所を出て少し歩くとバス停があり、そこの16番のバスが市街地の新要塞の近くまで行ったり来たりしていましたので、それを利用。
バスはオールドポート前の、大きな広場に着きました。
広場を渡ると旧市街地へと入り、古いけど味のあるこちゃこちゃした路地に通じます。
ピンクの壁に何とも奇抜で可愛らしいミツバチ達の落書き。
街にはアクセサリー屋さんを中心に、お洒落なお店がずらり。ターコイズブルーの石のアクセサリーはとてもギリシャらしいです。
オールド・ポート前のネオ・フルリオと呼ばれる新要塞への入り口を見つけたので、コルフの街の全体像を見渡すべく登ってみます。
16世紀後半に建てられたヴェネツィア支配下時代の要塞だという新要塞。何だか荒涼とした岩レンガ作りの原始的な要塞です。
当時使用されていた部屋など(でも岩素材の無機質なもの)も見学しながら登って、要塞の頂上にやってきました。
ここからは、海沿いのコルフの町並みを一望することができます。
ヴェネツィアの支配を受けていた歴史から、石畳の狭い道路にヴェネツィア風の建物が密集しているというコルフの街。「ギリシャで最も美しい」との呼び声もあるそうです。
オールドポートとその前に広がる整備された広場も美しいです。
新要塞の出入り口には小さなカフェとデイベッドなどのくつろぎスペースがあり、チケットと一緒にドリンク一杯が無料で付いてきますので、帰り際にここで一息。
ジュースを飲みながら一息していると、他のクルーズ船の乗客の人たちがやってきて、「あなた達はノルウェージャンの人?私たちはコスタなの。」と話しかけてくれたので、お互いのクルーズ情報を交換して少しおしゃべりしました。コスタというのもノルウェージャンと大体同じ価格レインジのクルーズで、今回我々のノルウェージャン・ジェイドとほぼ同じような港を周遊しているのでよく船の姿を見かけます。「コスタはだめね、ノルウェージャンの方が船内のイベントが充実しているわ。コスタはイベントを抑えてその分色んな場所に寄るプランになっているのよ、だから観光する時間もあまりなくて今も集合時間が迫っているわ。だからもう行くわね!でもコスタは食事がおいしいし色々見れてお得よ!」と言ってコスタ組は早々と去って行きました。なんだかんだいいつつ自分たちのクルーズに満足している様子。クルーズの乗客はどの船の人たちも人生最高のときを過ごしている、という充実感に満ち満ちています。ところでコスタの人が言うように、コスタの食事はおいしいことで有名らしいです。
さて、他のクルーズ船の乗客とも交流ができて一息ついたところで、新要塞を後にし、旧市街の街中に向かいます。
旧市街歩きを再開。古ぼけた路地に古ぼけた教会の塔。でもやはりどこか味があって美しい街です。
海岸に通じるニキフォル・テオトキ通りに出ると、少し明るく洗練されたアテネのような町並みになります。カフェやショップが並び華やか。
そしてまっすぐ進むと、海岸前の大きな通りと広場に出ます。
海岸前には大きなスピアナダ公園が広がります。
公園を抜けると、きゃーーー!!眼下には青いビーチが広がります。特に名があるわけでもない単なる道の下の波打ち際なのに、とっても綺麗。これが名だたるギリシャの名門リゾート島の底力でしょうか。
海の透明度ももの凄く高いです。イオニア海、恐るべし。
そして、この海に浮かぶ目玉観光地がこちら、旧要塞、パレオ・フルリオです。
旧要塞には、海を架ける橋を渡って向かいます。
8世紀のビザンティン時代に作られたという旧要塞。
ただし現存する建物のほとんどは16世紀以降に作られたらしく、敷地内に教会やレストランもあり、新要塞に比べると華やかです。
そしてあっと驚くのが、要塞の敷地を下側に下るトンネルを抜けると。。
きゃああああ。えも言われぬ美しいビーチが広がります。
こ、ここはモルディブ・・・?
もの凄い透明度の綺麗な海。水平線の先にはギリシャ本土がうっすらと姿を見せます。
こんな海の絶景が、ふらっと立ち寄った要塞の敷地で見られるなんて。。コルフ島、レベル高すぎます。
このビーチは存在に気づいた者たちだけのパラダイス。しかし水着持参でくつろいでいる強者もいます。私も着替えて泳ぎたい。。
まるで要塞の中の秘境ビーチリゾートでした。
さて、今度はそんなビーチを見下ろしながら、更に要塞を取り囲む海の全体像を見るべくせっせと要塞を登ります。
旧要塞前の、マンドラキ港も一望しながら登ります。
ひーこらせっせ。頂上まではまだ一山あります。
しかしこの辺りになると、海に囲まれるコルフの街も見え始めて何だかもの凄いことになってきます。
あの頂上めがけて、あとわずかです。
そして登りきった暁には、コルフの街と街を囲むガリツァ湾が見渡せるこの展望。
こちらは旧市街地方面。クルーズ船が止まっているニューポートも見えます。というか我らがノルウェージャン・ジェイドがはっきりと見えます。クルーズ船、大きいんですねえ。
イオニア海の海は、深くはっきりとした青で、浅瀬が照らされるとエメラルドグリーンに光り、本当に綺麗でした。
苦労して登った甲斐のある素晴らしい頂上の眺めに満足し、旧要塞を下って行きます。
まるでモルディブのようなビーチに出会え、素晴らしい景色が見れた、大満足の旧要塞でした。
さてお腹がすいたので、再び旧市街地に入ってランチに向かうことにします。ギリシャらしくも西欧らしくもある華やかな通りを通ります。
ランチで利用したのは、ポルタ・レムンダPorta Remoundaという魚介料理がおいしいというタベルナ。とってもお洒落なオープンテラス席で。
ギリシャらしくタザキやグリークサラダも注文。しかし実は私はこのグリークサラダに添えられる濃厚なチーズがあまり得意ではありません。でもこの後出てきたこのお店のボンゴレパスタのムール貝は新鮮で絶品でした。今まで食べたムール貝の中で一番美味しかったかも。ここではひたすら魚介を食べることをお勧めします。
さて、この後は再び旧市街地の中心に行き、少しお買い物をして集合時間まで過ごしました。コルフのお店はとてもお洒落なところが多かったです。そして店員さん達が今日はクルーザーが大量に立ち寄る日、ということを把握しているようで、クルーズの集合時間なども気にしながらどんどんアドバイスをしてくれます。ギリシャの店員さんたちって気さくで楽しくて、寄ってこられても全然面倒くさくなくてとても素敵です。
そんな店員さん達に勧められたリゾートワンピースを(友人が)購入し、そしてクルーズ内で唯一「飲み放題」じゃない水を大量に買って、再びオールドポート前の広場からクルーズが止まっているニューポートに向かいます。他のクルーザーたちもわらわら集まってきていてちょうどいい時間のようでした。
ただいま、ノルウェージャン・ジェイド。
集合時間より少し早めに帰ってきたので、メインブッフェでソフトクリームをもらってきて、部屋のバルコニーでコルフの島を眺めながら出航を待ちます。
そしていざ出航。さよならコルフ、素晴らしい島でした。
旧要塞のビーチで見たモルディブのような島も前を通って過ぎ去っていきました。
ということで、コルフ(ケルキラ島)は、世界遺産の旧市街地はギリシャと西欧の両方の風情が感じられる美しい町並みだし、海岸沿いの街の周りはよどみなく美しい手つかずの天然ビーチに囲まれていて、知名度以上に満足度の高い素晴らしい島でした。特に旧要塞の中にあるビーチから見渡すイオニア海は絶景で、「地中海のモルディブ」(※著者にとってモルディブは最高の褒め言葉)と名付けたいです。コルフとその旧要塞、ぜひともおすすめです。
さて、次の寄港先は、青と白の絶景アゲイン、サントリーニ島です。