フランス・コートダジュール⑤:全てを備える王道リゾート・ニース
ニースのプロムナード・デザングレ沿いを拠点に、コートダジュールの各都市を巡る南仏バカンスを満喫して4日目。今日は最後に、拠点であるニースの街を観光します。
ニースは、19世紀からイギリス人に保養地として大人気の場所だっただけあり、全てが整った円熟した保養地です。
①ニースにあるものその1、高級リゾート。
ニースと言えばこのプロムナード・デザングレです。海岸沿いの大通りを歩く人たちは皆バカンスを楽しみのんびりしていて、人が多くてもむしろそれがバカンス気分を高揚させるような居心地の良い雰囲気にあふれています。
プロムナード・デザングレには、このネグレスコのようにベルエポックの名残を感じさせる高級ホテルが建ち並びます。
②ニースにあるものその2、庶民的な歴史情緒。
ニースはちゃんと歴史のある街ですから、ザングレ沿いを一歩入って旧市街地に行くと、こんな古びた地元の街並を見ることもできます。
旧市街地にそびえるサント・レパラット大聖堂。
中の装飾が厳かな大聖堂でした。
旧市街地の海沿いに近い通りでは、カフェが並ぶとともに市場が開かれています。
南仏のみずみずしい野菜が並んでいます。
見たことのない面白い形のトマトがいっぱい。
市場の向かいには、バロック装飾で有名なミゼリコルド礼拝堂があります。こちらは工事中でちら見しかできなかったのが残念でしたが、きらびやかでした。
そしてミゼリコルド礼拝堂の奥には裁判所がそびえ立っています。
③ニースにあるものその3、新しく整備された街並と交通網。
裁判所を抜けて古めかしい旧市街地を後にすると、整備されたマセナ広場に出ます。
マセナ広場は広々とした交通の要所で、トラムも走っています。
そしてマセナ広場前のエスパス・マセナという歩行者天国は、噴水が至る所から放出されて地面が水面となって周りの建物を映し出し、人々が水遊びに興じる涼しげな空間でした。
④ニースにあるものその4、芸術。
さてこのマセナ広場から出ているバスに乗り、ニースの文教地区、シミエ地区にやってきました。最初に訪れたのはシャガール美術館。
シャガール美術館はシャガールの絵はもちろん館内のディスプレイもシンプルに洗練されていてお洒落でした。
また、美術館のお庭にあるオープンカフェがとても気持ちのよい空間でした。
木漏れ日のもとで食べるポテトたっぷりのハンバーグランチとニース風サラダは美味でした。
そしてシャガール美術館から更にバスで1〜2駅北にあるのがマティス美術館。
このマティス美術館の周りは、木々に囲まれた憩いの場になっており地元の人々がお散歩したりしています。
遺跡のようなものもあります。
ちなみに、美術館つながりでは、プロムナード・デザングレ沿いの我々が泊まったホテル、レロイヤルのすぐ隣に、マセナ美術館がありましたが、こちらもなかなか良かったのでここで紹介します。
このマセナ美術館は、昔の貴族の館を改装してニースにまつわる作品を展示する美術館にしたようです。
19世紀のニースの広告。貴族の憧れの地だったのですね。
そしてかつてのプロムナード・デザングレ!今と同一性ありますね。
この他、ニースにはたくさんの美術館があり、ビーチでぼけっとするだけではなく多いに芸術鑑賞も楽しめる街です。
⑤ニースにあるものその5、抜群の他都市&他ビーチへのアクセス
前回までの記事で、ニース駅から「世界有数の車窓」と言われる鉄道で容易に他のコートダジュール沿いの有名都市に訪れられることは述べましたが、このコートダジュール沿いの鉄道駅付近には無数の美ビーチも点在しています。
その一つが、ニースから各駅停車で2駅のヴィルフランシュ・シュル・メール Villefranche-sur-Merの駅を出てすぐに広がるこのビーチ。
このビーチは、ニースのような都会からすぐのビーチであるにも関わらず海の透明度が非常に高く、しかも岩場に沢山のお魚がいてシュノーケルが楽しめました。ヨーロッパでシュノーケルが楽しめるビーチがこんな手近にあるなんて驚きでした。
ニースのプロムナード・デザングレ沿いのビーチは岩質で濁っていて波が強すぎるので、ニースで本格的に海水浴を楽しみたければぜひこのビーチにくることをお勧めします。
⑥ニースにあるものその6、美食。
ニースには数えきれないほどのレストランやカフェがあふれており、どこもお手頃価格でだいたい美味しいです。
ニースと言えばニース風サラダで、実際にニース風サラダがとても美味しかったですが、特に秀逸だったのが旧市街地近くのプロムナード・デザングレ沿いのイタリアンレストランにあったニース風サラダを挟んだパン。ヒットでした。(ちなみに、フランスですがイタリアが近いせいかニース人の味の好みのせいか、イタリアンレストランが多数派でした。まあヨーロッパどこでもそうですが。。)
また、多かったメニューがムール貝の蒸し焼き。フライドポテトを添えて食べるのがこちら流なんですね。オランダでもおなじみのメニューですが、さすが海沿いの街のムール貝の味は格上でした。
そしてニースでの一番のヒットが、ジェラート。ニースで食べたジェラートの美味しさは、イタリアの諸都市で食べたそれを超えていました。通いつめた旧市街地の裁判所の前の広場にあるジェラート屋さん、GLACIER。ここのチョコチップ味、最高でした。
また、街の中心の通りにあるこのAmorino Gelato Italianoというお洒落なジェラート屋さんも、濃厚でミニサイズで三食食べられて洗練された味でした。これはチェーン店かな。
ニースのジェラート、また食べたいです。
ということで、ニースは、高級リゾートあり、歴史情緒あり、芸術あり、美食ありと全てが揃ったマルチな保養地でした。他のコートダジュールの都市にも抜群のアクセスで気軽に行けるし、プロムナード・デザングレでゆったりするのも快適、街歩きするのも快適、ちょっと他都市に観光するのも快適、と、気負いなく理想のバカンスが過ごせる総合力の高いリゾート地だったと思います。近年の日本でのリゾート目的地としては、自然・絶景ブームのためかギリシャのサントリーニ島や南イタリアの方がフィーチャーされており南仏の影は少し薄い気がするのですが、過ごしやすさという点では群を抜いていて、地元のヨーロピアンには変わらず根強い人気なのも納得できます。
ニースはその居心地の良さから、毎年来たい、というか、老後に住みたい、と言いたくなる都市でした。そんな夢を見つつ、また訪れるその日まで。