スペイン・アンダルシア③:アルハンブラ再び、アルハンブラ・パラセから行く昼のアルハンブラ宮殿
アルハンブラの丘沿いに建つホテル、アルハンブラ・パラセに宿泊しアルハンブラ宮殿を満喫する予定だったスペイン・グラナダ旅行。しかしコスタ・デル・ソルのビーチリゾート調べにかまけて肝心のアルハンブラ宮殿のメイン、ナスル朝の日中の事前予約チケットを入手し損ねての不安定な旅行となったのは前述の通りです。
アルハンブラ宮殿を模倣したこのアルハンブラ・パラセは見れても本物のアルハンブラ宮殿の昼の姿を見られないのでは話になりません。
ということで、午前中のグラナダ周遊ツアーが終わったとたんに駆け足でアルハンブラ宮殿のチケット売り場へ。案の定並んでいます。
しかし、事前に調べた日本人の旅行ブログ情報によると、人が並んでいるチケット売り場の窓口ではなく、その先にある自動販売機には誰もおらずあっさりチケットを入手できるということだったので、その自動販売機を探してみたところ、確かに存在し、そして確かに誰もおらずあっさりチケットを購入することができました。なぜ自販機がこんなに空いているのか。。誰もその存在を知らないし周知もされていないんですかね。さすがヨーロピアン旅行者はのんびりしており、そして日本人情報はしっかりしています。
シーズンにもよるのかもしれませんが、13時頃までに並べば、14時以降のナスル朝の予約を取ることは可能なようでした。
チケット売り場からアルハンブラ宮殿までの道は木々が紅葉した風流な道です。ちなみに本来グラナダは11月末のこの時期には凍える寒さだそうなんですが、今年はアフリカからの熱風が吹いているとかでとても温暖でまだ秋の始めという感じのラッキーな天候でした。
アルハンブラ宮殿敷地内への入り口の門。昨日の夜もくぐりましたが、いざ、昼のアルハンブラ宮殿へ。
宮殿の敷地に入るとまず目に留まるのが、サンタ・マリア教会。昨夜は暗くて目に入りませんでした。
こちらは昨夜も目立っていたカルロス5世宮殿。今日は明るくて隅々まで見えます。
メインのナスル朝宮殿の予約時間まではまだ少しあるので、敷地内を散策します。
アラビア文様の小物のお土産屋さん。
アルハンブラ宮殿の敷地内なのになぜか「ホテルアメリカ」という名前のホテルが。
さらに、敷地内にはパラドール・デ・グラナダという15世紀に立てられた修道院を改装して造られたという高級ホテルもあります。
このホテルのオープンカフェで軽めの昼食。
紅葉した木々を眺めながらゆっくりできる素敵なカフェでした。
さて、ナスル朝宮殿の予約時間がやってきたので並びます。時間で区切られていても長蛇の列です。昨夜見た夜の宮殿内とは異なる姿を見ることができるでしょうか。
最初は行政と司法が執り行われていたメスアール宮です。昨夜は暗くて認識できなかった、裁判所がおかれていたメスアールの間。
奥の間の窓からはアルバイシンが一望できます。
続いてこれも昨夜は真っ暗だったコマレス宮のアラヤネスの中庭。池の水面に映し出されるコマレスの塔を見ることができました。
この中庭にある壁の装飾はやはり綿密で美しいです。所々残っている鮮やかな青色が本来は奥の壁全体の色だったのでしょうか。
賓客が通されたというコマレス塔の中にある大使の間。昨夜はただの薄暗い空間としか認識しませんでしたが、壮大な部屋でした。
続いて、王族のプライベート空間だったライオン宮のライオンの中庭へ。その全貌が明らかに。ライオンの噴水はやはり顔無しネコのようなライオンたち。。
このライオンの中庭を取り囲む廊下の装飾は本当に繊細・豪華です。
天井の鍾乳石飾りも見事です。
ライオンの中庭の奥にはリンダラハのバルコニー。
バルコニーからの中庭の眺め。
周辺の外向きのバルコニーからは、またまたアルバイシンも一望できます。
やはり日中に来た方が断然細部が見れ、また中庭やバルコニーからの眺めも楽しめるナスル朝宮殿でした。くれぐれも事前チケットの予約を忘れないことを推奨します。
ナスル朝宮殿の出口はパルタル庭園に続いています。
パルタル庭園にはイスラム時代は宮殿だったという貴婦人の塔が庭池に囲まれて建っています。
続いては、敷地内の西端に建つ軍事要塞、アルカサバを見学します。
アルカサバはローマ時代の砦の後にモーロ人が9世紀に築いたもので、アルハンブラで最も古い部分だそうです。
アルカサバの見所は何と言っても要塞からのこの眺め。
要塞を塔の頂上に向けて登って行くにつれ、幾つもの見晴らしスポットがあります。
中段からの眺め。アルハンブラの丘が紅葉していて綺麗です。
丘の上の方(太陽の丘というそうです)にはヘネラリフェというナスル朝の夏の別荘が見えます。本当はここも行きたかったですが、時間がなくて断念。
そして塔の頂上に着くと
登ってきたアルカサバの全貌と
丘の下のグラナダの街を地平線まで見渡すことができます。
何度見ても感動するアルバイシンの白い迷路街。
アルハンブラの丘の紅葉も本当に綺麗です。
アルカサバ、最高の眺めでした。
最後は、昨夜と同様に、アルカサバ前のカルロス5世宮殿にちらりと立ち寄り。
外観こそルネッサンス風で立派ですが、中身は闘技場のようなもの。
昨夜の眺めと同様、本当にもと宮殿?という感じの建物でした。イスラムでなくなった後のアルハンブラは質素だったのでしょうか。
ということで、日中のアルハンブラ宮殿は、ナスル朝の他にも庭園やアルカサバの絶景などが見れて美しい空間でした。とにかく広いので、全部巡ろうと思ったら半日はしっかり確保した方がいいと思います。
さて、アルバイシンとアルハンブラを満喫したところで、そろそろグラナダを去る時間です。次は風情ががらっと変わって、コスタ・デル・ソルの玄関口、南国都市マラガに向かいます。
ちなみに、グラナダからマラガへは往路と同様にALSAの高速バスを利用したのですが、バスの発着所の「グラナダ」を鉄道のグラナダ駅だと思って市バスでグラナダ駅まで向かいました。しかし、着いたのは往路で止まった高速バスの停留所とは全然違う様相の駅。
実はバスの停留所は鉄道のグラナダ駅とは別の高速バス専用のグラナダ停留所であることがわかりました。急いでタクシーに飛び乗ってバスの停留所に向かってもらいどうにか間に合いましたが、冷や汗が出る体験をしました。グラナダで高速バスを利用する際には、鉄道駅とバスの停留所を混同しないよう、要注意です。
さて、次はマラガ観光です。