オランダ・アムステルダム:芸術の水辺、運河都市アムステルダム
オランダは地味な国といえど、オランダ最大の都市アムステルダムは、観光地としてもかなり栄えた人気都市といえるのではないでしょうか。田舎に住んでいる私もさすがにアムステルダムにはちょくちょく足を運んで、そのオランダ最大の都市文化を満喫しました。
ということで今回はアムステルダム特集です。
まずは、アムステルダム観光は若干複雑なので、観光ティップを少し。
(1)複数の観光用カード
アムステルダムのスキポール空港はヨーロッパの玄関口の一つでもありますし、オランダとしてもアムステルダム観光にはかなり力を注いでいると見られます。そのためか、アムステルダムの観光のためのお得な見所共通カードのようなものが複数種類販売されていて、初めての観光客にはありがたいと同時にどれがいいのかよくわからなくなってしまうと思われます。
私が知っているだけでも、①I amsterdam city カード(アイアムステルダムシティカード)、②Holland pass カード(ホランドパスカード)、および③Museum カード(ミュージアムカード)の3つがあり、どれも似たような値段です。①のI amsterdamカードは、24時間、48時間または72時間市内交通&ミュージアム利用し放題(運河クルーズを含む)というもので、アムステルダムだけを短期に見て回る観光客には一番勧められやすいカードです。ただし、観光の要であるアンネの家と国立ミュージアムが利用対象に入っていないので、これらのチケットを別途買うことを考えると、1日等短期の滞在であまりミュージアムばかり行く予定でない人にはペイしないかもしれません。②のHolland passは、オランダ全域のほぼ全ての主要なミュージアム等の施設や運河クルーズを利用できるチケットが多数入ったもので、①とは違い国立ミュージアムが利用対象に入っているので(アンネは別)、特にアムステルダムだけではなくオランダの他都市も日程に余裕を持って回る人にはお勧めできるカードだと思います(半年有効)。③のミュージアムカードは、オランダ中の全ミュージアム(アンネの家も含む!!)を1年間何度でも利用可能という素晴らしいカードで、オランダ住民になるならぜひ買った方がいいですが、他のカードより若干高めです。また、アンネの家のように時間予約制だったりチケットを買うために列ができているミュージアムについて、それらの列をスキップして入れる効果まで持っているカードなのかどうか、私は使っていないのでわかりません(すみません)。
ということで、これらのビミョーな違いを持つ3種のカードの優劣及びコストパフォーマンスについては未だに判断できずにいる私ですが、何となく①I amsterdamカードは一番勧められるけど一番ペイしないような気も・・・?
(オランダってこんな風に複雑な仕組みを色々作って、そしてその複雑さに乗じてちゃっかり商売して儲ける国なんですよね。。)
(2)ミュージアム
アムステルダムは芸術の宝庫です。メインはミュージアム観光になると思いますしそれこそが醍醐味です。特に人気のアンネフランクの家は、事前予約制で早めに予約しないと売り切れてしまい、当日1時間以上並ばなくてはいけなくなるので、早めの予約が推奨されます。また、国立ミュージアムも、上記②Holland Passや③ミュージアムカードを買わないのならば、事前予約してチケットを印刷していくことがおすすめです(国立ミュージアムも並んでいることが多いため)。
(3)交通手段、運河クルーズ
アムステルダム中心の交通手段は、トラムまたはバスがおすすめです。運河を渡っての交通は時間がかかりますので、交通手段としてではなく観光として時間があれば運河クルーズを利用するのがいいと思います。
なお、オランダの交通は、日本のスイカやPASMOに相当する共通交通カード(OV-chipkaart)を購入してチャージしていくか、または一日券などを買うとスムーズです。
さて、前置きのティップが長くなってしまいましたが、アムステルダム観光を始めたいと思います。
まずはアムステルダム中央駅。東京駅のモデルになったという駅舎です。
駅の前には、早速アムステルダムらしく運河沿いに所狭しと並ぶ家並みが広がります。
さてトラムでまずはアムステルダムの中心、ダム広場周辺へ。
トラムが止まるのはマグナプラザというオランダ一の高給デパートの前(道が狭いので全体像が撮れない)。ちなみにオランダ一の高給デパートといっても、そんな高級ブランドが入っている訳ではありません・・・さすが節制の国。
街中に門も塀もなく突然王宮がそびえ立っています。
王宮の前にはダム広場。白い塔は戦没者慰霊塔だそうです。街の中心らしく大変賑わっていたダム広場でした。
さて続いては、トラムでミュージアム群が連なる文京エリアへ。
まずは地元では「ライクスミュージアムRijksmuseum」と呼ばれる国立ミュージアム。
大人気のミュージアムです。大きくてオランダ絵画が豊富ですが、その中でも皆の一番のお目当てはこのレンブラントの夜警。常に人だかりです。
フェルメールも有名なものが幾つかありました。
何となく気に入った絵。お姉ちゃんが子供ながらふくふくしていて綺麗だし、弟二人?はやんちゃそうで微笑ましい。いつの時代もどんな貴族でも子供は子供らしかったのでしょうねえ。
ライクスミュージアムの前はゴッホ美術館や近代美術館に続く大きなミュージアム広場になっていて憩い空間です。
ライクスの前には大きくI amsterdamのモニュメント。でも常に誰かが文字の周りで記念撮影していて文字が綺麗に見えません。
続いてお隣のゴッホミュージアムへ。
ゴッホの絵がとにかく沢山。「ひまわり」とか数々の有名作品が何のガードもなくゴロゴロ転がっています。ゴッホ好きにはたまらないでしょう。
この他、ゴッホ美術館のお隣の市立近代美術館も、さすがモダンアートのオランダだけあってとても面白かったです。
そして、このエリアでなんとしてもお勧めしたいのがこちら、世界一の音響を誇るという音楽の殿堂、コンセルトヘボウConcertgebouw。
行くまでは「世界一の音響、なんて、どんなもんかね」と思っていましたが、本当に音響が凄まじく良くてびっくりしました。これは正面バルコニーの最も良い席からの写真ですが、どの席に対しても会場中に空間が開けているのでそれが良いのですかね。
私は幸運にもこの会場で、ネーデルランドフィルハーモニーによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番や、フィラデルフィアフィルファーモニーによるストラヴィンスキー&ショスタコービチといった、音響の良さをこれでもか!これでもか!と活用できるブログラムを聞く機会に恵まれ、オケはやはり生で聞きにくるものだなあと強く認識させられました。
さて、ミュージアム系ラストはアムステルダムの看板の一つ、運河沿いにあるアンネフランクの家です。
列がぐるっと一回りするほどの長蛇の列です。これを避けるためにはくれぐれも事前予約を。ちなみに内容は、結構演出が効いてます。
アンネフランクの家の中のカフェは軽食もとれて、ガラス張りで周りの運河(と並んでる人々)を見渡せるなかなかよい場所でした。オランダの食事って、外のレストランとかも悪くはないですがそんなにずば抜けていいというところもないので、こういうミュージアム併設のカフェなどですませるのは悪くないと思います。
さて、アムステルダム観光では少なくとも上記のミュージアムらを優先すべきだと思いますが、時間が余ったらのんびり運河クルーズも悪くないと思います。運河クルーズは中央駅前から出ています。
雨が多いため屋根付きにはなってしまいますが、街のはずれの方の科学技術センターなどのモダンな建物なども見ることができます。
もちろんオランダらしい運河沿いの街並も。
ただあえてクルーズに乗らなくてもアムステルダムでは街歩きをしているだけで多くの運河沿いの光景が見られますから、時間が余ったらぶらぶらと待ち歩きをしてみるのもいいと思います。
ということで、多くの世界屈指のミュージアムを擁するアムステルダムは、お籠りしてもよし、外に出て運河の街並を眺めてもよしの芸術の水辺です。お越しの際はぜひ2日は取って満喫してほしいと思います。